クロスバイクやロードバイク選びにおいて、重要なファクターとなるのが「フレームの素材」。
フレームの素材にはアルミ、カーボン、クロモリがあり、ユーザーはそれぞれの特長を理解して、目的や予算にあった選択をする必要があります。
3種の素材の中でも、伝統的でコアな人気を誇るのがクロモリフレーム。
その人気は根強く、雑誌で特集が組まれたり、ムック本が刊行されることもしばしば。
今回は、そんな「クロモリフレーム」について、特徴(メリット/デメリット)やメンテナンス方法、代表的なクロスバイク車種を紹介していきます。
Contents
主流はアルミフレーム
クロスバイクのフレームに使用される代表的な素材には、カーボン、アルミ、クロモリがあります。
中でもアルミフレームは、軽くて、安価。かつ、ほどほどに丈夫ということで、エントリーモデルからミドルクラスを中心に、多くのメーカーで採用されています。
アルミフレームは、価格と質の面でバランスがとれている一方で、振動や衝撃の吸収性能が十分でなく、乗り心地が固いというデメリットがあります。
カーボンフレームは、吸収性能が最も高く、非常に軽量。
さらに金属でないためサビない。という特長を兼ね備えており、上級者に人気のフレーム素材です。
価格が高価であるため、初心者には手が出しづらく、強度面ではクロモリと比べて、割れやヒビ等が発生しやすいデメリットはあります。
クロモリフレームとは?
対してクロモリフレームとは?
普段の生活では聞きなれない言葉ですが、クロモリとは簡単に言うと鉄の一種です。
正式にはクロームモリブデン鋼の略称で、名の通りで鉄に"クロム"と"モリブデン"を添加した合金の一種です。
理論はさておき、この金属の特徴としては「強度に優れている」「振動吸収性が高い」「寿命が長い」という点が挙げられます。
この特徴から自転車のフレーム以外にも、自動車部品、航空機など様々な用途で使用されており、非常に信頼度の高い素材であることがうかがえます。
強度の比較検証
強度に関してどれくらいのポテンシャルがあるのか、分かりやすい実験動画がありましたので、ご参考までにご紹介します。
クロモリを筆頭に様々な金属にインパクトを与え、その耐衝撃性を実際に比較しています。
初めに登場するのが我らが「Chromoly(クロモリ)」、そして3番目に登場するのが「Aluminum(アルミニウム)」。
アルミと比較すると一目瞭然ですね。
目視でおおよそ3倍程の強度の違いがでていることがわかります。
クロモリフレームのメリット
クロスバイク、ロードバイクにおけるクロモリフレームにはどのようなメリットがあるのでしょうか?
クロモリフレームとアルミフレームを、各1年以上乗り継いだ経験から、感じたメリットをあげていきます。
乗り心地がよい
アルミフレームと比較すると乗り味が「抜群に良い」です。
素材の振動吸収性が大きく作用しており、とてもしなやかな乗り味で、体に負担の少ないライディングが体感できます。
特に街乗りや通勤用など、路面コンディションが一定でなく、段差も多いルートでは、そのメリットが際立ちます。
アルミフレームよりも重量はあるものの、これによる漕ぎ出しの重さは、さほど感じませんでした。
日常の足として。あるいは、ポダリングの相方に。
マイルドな乗り心地が、快適な自転車ライフをもたらしてくれます。
スマートな見た目
強度を生かした細いフレームが、ルックスのよいクロモリバイクの特長です。
アルミフレームの場合は、クロモリフレームより強度が低いため、同等の強度を持たせるためには、フレームの太さでカバーする必要があります。
比較して、強度のあるクロモリの場合は、フレームがより細く、円形断面の細目のパイプ形状となっており、全体の印象として非常にスッキリしたシルエットでの実装となっていることが多いです。
見た目に関しては、個人の趣向によりますが、シンプルでスッキリとした造りを好む人には、しっかりとハマるデザイン。
長く乗るものですので、愛着を持てる車種を見た目で選ぶのも、後悔のない選び方の一つだと考えます。
強度(ヒビや割れの心配がない)
前述してきている通り、強度が他の素材より優れています。
カーボンやアルミフレームでみられるヒビや割れは、ほとんど無いと言われてます。
フレーム寿命が長く、サビに気をつけてメンテナンスをつづけることで、長期に渡って乗り続けることができる事がメリットです。
【経験談】
過去に一度、段差に前輪から衝突し、タイヤを交換しなければならないほど歪曲させた事がありましたが、フレーム自体は歪みや損傷は全くなく前輪の交換だけで事なきを得た事がありました。
乗車していた人間(私)が空中を半回転するほどのかなりの衝撃とダメージであったため、アルミフレームだったらこうはいかなかったかもしれないと今になって思います;
フレームのヒビは、走行中の思わぬアクシデントにも繋がりかねないので、安全面においても、クロモリフレームの優位性があると考えられます。
クロモリフレームのデメリット
メリットの多いクロモリフレームではありますが、デメリットも存在します。
サビに弱い
アルミよりもサビに弱いです。
雨の日に乗らないのであれば、基本的に問題ありません。
日常の足として、天候関係なく乗車する場合は、少し気を遣う必要があるでしょう。
フレームの塗装部分はあまり心配ありませんが、金属が露出している部分は、雨にさらして放っておくと、小さなサビが発生しやすいです。
キレイな車体で乗り続けたいのであれば、「なるべく、雨にぬらさない」「雨にぬれたらウェス(布)などでふき取る」などのメンテナンス上の気遣いをマメに行いましょう。
車体を屋外保管されている方、海の近くに住んでる方などは、下記の様なさび止めスプレーを併用すると、水分からフレームを強力にカバーしてくれるので、より安心です。
やや重い
乗車時には特に気になりませんが、アルミフレームのモデルと比較すると、素材が重い分、車体が重くなります。
とはいえ、メンテナンス時など車体を持ち上げるシーンで、少し感じるくらいで、漕ぎ出しへの影響もそこまで感じたことがないので、デメリットを体感する機会は少ないのかもしれません。
クロモリフレームのクロスバイク
以上を踏まえて、車種選びの際のご参考までに、クロモリフレームを採用したクロスバイクをご紹介したいと思います。
RALEIGH(ラレー)のRFC(ラドフォード・クラシック)
乗り心地もさることながら、やはり見た目の良さにやられます。
クラシックでシュっとしたデザインがたまりません。サドル、ハンドルのブラウン調の合皮もポイントになって全体としてまとめ上げられてます。
FUJI(フジ)のSTROLL(ストロール)
洗練されたデザインで評価の高いFUJIのモデル。FUJIの製品ってすごくおしゃれなものが多くてパッと目につくんですよね。無駄が無い車体にどうしても惹かれてしまいます。
FUJI(フジ)のPALETTE(パレット)
同じくFUJIのPALETTE。人気のストリート系バイクです。
少し趣旨からはずれますがメインフレームはアルミ、フォーク部分がクロモリとなっています。
つまりは、アルミとクロモリのいいとこどりです。
細身ながらスポーティーさを追求した見た目と走りを兼ね備えた傑作なので紹介させていただきました。
GIOS(ジオス)のAMPIO(アンピーオ)
シックなシリーズから打って変わって、「がっつり走れる系クロスバイク」の登場です。
こちらも人気上位に食い込んでくるクロスバイク乗りに支持されているモデルです。
シャープで軽快な操作性とロングライドもこなせる乗車感も人気の理由の様です。
「カッコいい」を求めるなら検討の価値あり。
RITEWAY(ライトウェイ)のSTYLES(スタイルス)
初心者に優しくコスパに優れたRITEWAYの「STYLES」。やはり、手が出しやすい価格帯や、無駄が無く洗練されたフォルムが2019年も健在です。
過去にRITEWAYシリーズの購入を本気で検討していた私にとっては、非常に刺さるプロダクトです。
カラーリングも5種類と豊富で、渋いネイビー系のカラーがカッコいい。
2019年ラインナップのSTYLESはなんといっても「フルクロモリ」。
低価格にして安定のSHIMANOコンポーネントとあわせて、安心の走行性能を保証してくれること請け合いです。
はじめての1台を検討していて「何を買おうか迷っている方」や「とりあえずクロスバイクというものに乗ってみたいという方」には是非お勧めしたいシリーズです。
【全13車種】各メーカーのクロモリフレームバイクの車種/スペック一覧
各メーカーがプロデュースしているクロモリバイクをまとめました。
他のメーカー車種も横断的にチェックしたい方は下記記事を参照ください。
クロモリフレームのクロスバイクをメーカー別にまとめてみた
続きを見る
メンテナンスの方法について
定期メンテナンスの内容
基本的な定期メンテナスの方法は、他の素材の場合と変わりなく難しいことは特にありません。
主な作業内容としては以下が挙げられます。
- チェーンの洗浄
- ギアの洗浄
- 車体の洗浄
- 注油(オイルの塗布)
準備するものとしても、クリーナーやブラシ等メンテナンスに必要なグッズがオールインワンになっているものがあればとても便利です。
※メンテナンススタンドもあれば便利ですが、無くても問題ありません。
無い場合は車体を逆さにしてサドルとハンドル部を地面に設置することで対応が可能です。(私はもっぱらこの方法)
どれくらいの頻度でやるか?
週1でやるべきという人もいれば、せいぜい月1程度という人もいるので、
部屋の掃除と同じで個人の趣味やとれる時間によって変わってきます。
常にベストな状態を保つためには、週1が正解と言えそうですが、なかなか毎週末のメンテナンスというのは現実的にハードルが高いと思います。
主観となりますが、1カ月に1回程度で十分に走行性能は維持できています。
少しサボったくらいで、著しく走行性能が落ちたり、急激に劣化が進むという事はあまりないので神経質になりすぎる必要はないです。
「走行性能が少し鈍ってきたかな?」と気づいたタイミングで早めのメンテナンスを行うように心がけていれば最低限OKだと思います。
2019/05/04 追記
クロスバイク通勤4年目に突入し、定常的に行っているメンテナンスの内容と頻度を返ってみました↓
【クロスバイク】32Cから28Cに交換して体感した「違い」
続きを見る
雨にふられた後のケア
上記の定期メンテナンスに加えて、前述の繰り返しとなりますが、雨に濡れた場合にはできるだけケアしたいところ。
おさらいポイントとして、
- 車体についた水滴をウエス(布)でふき取る
- オイルを注油する
- 防錆スプレーを使用する
を可能な限り実施してあげると良いでしょう。
クロスバイク購入完全ガイド
コスミック出版より『クロスバイク購入完全ガイド』の2020年度版が発売されています。
エントリーモデルからハイエンドまで、最新の注目モデル一挙152台が収録されおり、徹底インプレッション32台では有名メーカーのイッキ乗りで、実走性能を徹底評価!
クロスバイクの最新の動向もおさえておきたい人にはオススメ。
その他、自転車に関して相談したい
クロスバイクの選び方についてもっと詳しく聞きたい。
メンテナンスに不安がある。
用途にあったおすすめが聞きたい!
自転車に関する相談事は「直接購入店に行って相談する」または「自転車に詳しい知人や身内に相談する」のがベストかと思います。クロスバイクは丁寧に扱えば何年も乗り続けることができるので、しっかり疑問を解決して納得できたものを購入できるのが理想です。
すぐに相談できる環境が近くにない場合は、ココナラでも自転車の疑問を解決することができます。
ココナラはスキルのフリーマーケットで、様々な方面での「知識・スキル・経験」を持った方々が細かいニーズにあわせたサービスを提供しており、クロスバイクについても多くの方が得意分野のサービスを提供しています。
チャットやメールで気兼ねなく聞きたいことを相談することもできるのもメリットかと思います。なかなか、疑問に対する回答がなかなか見つからない場合には、ピンポイントで質問してみると解決が早いかと思います。
まとめ
今回はクロモリフレームの魅力を書き連ねてみました。
主に通勤で利用している私としてはクロモリフレームにして良かったと感じる事が多々あります。
通勤用ではなく趣味乗り用のクロスバイクを購入する場合は再考の必要があると思いますが、強度と乗り心地を兼ね備えたクロモリフレーム。
街乗りやまったりポダリングにマッチした素材としてオススメです!