
今回は検証していくのは、老舗のレンタルサーバー屋さんとして知名度の高い「さくらのレンタルサーバー」。一般向けのプランの内、WordPressが利用できるのは次の2つです。
- スタンダードプラン
- プレミアムプラン
ワンコインから始められるスタンダードプランは業界最安レベルです。ハイコスパなのでWordPress入門で利用される方も多いと思います。
- 上位プランであるプレミアムプランとは?
- スタンダードプランとは何が違うのでしょうか?
本記事を読むと2つのプランの違いと、ブログにおすすめのプランが分かります。
先に結論
- ブログ用途で選ぶならスタンダードプラン一択
- プレミアムプランは費用対効果が悪い
- プレミアムにしてもパフォーマンスが上がらない場合も。。
「スタンダードプラン」と「プレミアムプラン」の違い
まず、両プランの料金違いとサーバースペックの違いを以下にまとめます。
サーバースペックは今回使用したサーバーのコントロールパネルにある情報をもとにしています。(2020年6月現在)
スタンダードプラン | プレミアムプラン | |
料金 | 437円/月~ | 1310円/月~ |
初期費用 | 3,000円 | 3,000円 |
CPU | Intel(R) Xeon(R) CPU E5-2650 v3 @ 2.30GHz | Intel(R) Xeon(R) CPU E5-2650 v3 @ 2.30GHz |
メモリ | 48GB | 32GB |
ストレージ | 100GB | 200GB |
転送量/日 | 80GB | 120GB |
取得可能なドメイン | 100個 | 150個 |
DBの数 | 20個 | 50個 |
ここで少し混乱が生じました。
「あれ、メモリが何故かスタンダードプランの方が多い??」
何かの見間違えかと思い何度か見直しましたが確かにこの通りなのです。
ユーザーページのサーバー情報を見ると、利用しているプランと次のようなサーバーのスペックをみる事ができます。
どうも、少し調べた感じだと「サーバー番号 www3701.sakura.ne.jp」以降はハードウェアが刷新されているようです。
つまりはプレミアムプランだろうがスタンダードであろうが、ハードウェアガチャであたりを引けないと古いスペックのマシンに割り当てられてしまう可能性があると思われます。
。。。
大部分の人は、この時点でどのプランにすべきか結論がでるのではないでしょうか。
いちおうプレミアムプランが優位な点としては、ストレージの容量、転送量、取得可能なドメイン数、DBの数がそれなりに増えるという事。
加えてウェブアクセラレータも使えるようになるらしいのですが、倍以上の料金を払って使いたいかといわれると否。
他社サーバーだと下位プランでもアクセラレータが利用できるので、あえてさくらのプレミアムプランを選択する理由はないかと思います。
というわけで、さくらのレンタルサーバーでブログをはじめるなら「スタンダード一択」。
膨大な記事数と画像をアップするサイトや、1サーバーで多数のサイトを量産する場合は「プレミアムプラン」、、
と言いたいところですが、同価格帯であれば他社の高速サーバーを使用した方がパフォーマンスが出ると思います。
せっかくなので、両プランで検証用のWordPressサイトを構築してレスポンス速度を比較してみました。
「スタンダード」と「プレミアム」でサイト表示速度を比較してみた
今回は2つのツールを使って性能を測定していきます。
- Googleの「PageSpeed Insights」 ⇒ 総合的な採点結果、一回勝負
- ApacheのJMeter ⇒ 長時間(ほぼ丸一日間)定期的にアクセスして平均速度を算出
テスト用のWordPressサイトはのテーマユニットテストを利用して、トップページで様々なコンテンツを表示しています。
PageSpeed Insightsで総合的に計測
【スタンダードプラン】モバイル表示
【プレミアムプラン】モバイル表示
【スタンダードプラン】パソコン表示
【プレミアムプラン】パソコン表示

アクセラレータを利用するとさすがにプレミアムが優位に立つとは思いますが、未装備の状態だとスタンダードの方がわずかにハイパフォーマンス。
「上位プランの方がサーバー1台あたりのユーザー数が少ないため負荷が少なく速い」って噂も目にしましたが、実態はそうでもないようです。
まぁ、リクエスト1回だけだと時間やタイミングでたまたまってこともあるので、長時間に渡って計測してサンプルを増やします。
測定にはApache JMeterを使用。10分置きのリクエストを24時間程継続して計測してみます。
Apache JMeterでほぼ1日計測
30分置きにサーバーへアクセスしてそのレスポンスタイムを計測した結果を掲載します。
サンプル数 | 平均値 | 中央値 | 90%line | |
スタンダード | 141 | 2009 | 1730 | 2317 |
プレミアム | 141 | 2018 | 1751 | 2617 |
やはり1日単位でみても僅かにスタンダードの方が良い数値をたたき出しています。
結局はメモリの差なのか?
WordPressサイトを構築しての性能測定では、プレミアムと比較してスタンダードのコスパの良さだけが際立つ結果となりました。
まとめ
さくらのレンタルサーバーのスタンダードプランは安くて、ブログ初心者にはおすすめなのは確か。
ただ、プレミアムはやめとけ。
同価格帯を出せるのであれば、ConoHa WingかXserverあたりの高速サーバーがおすすめです。
各社サーバーの性能比較記事も近々執筆予定です。